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時代小説、映画、JAZZ、それらを大人の楽しみとして愛でること。雨の夜の鴉のごとく、耳鳴りとともに日々の悪夢に苛まれつつも。

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女の江戸-宇江佐真理「玄治店の女」 

「玄治店の女」

宇江佐真理「玄治店の女」
(幻冬舎文庫)


最近立て続けに宇江佐真理のものを読んでます。
とにかく読んでると気持ちがいいんです(笑)
なぜそうなのかなと考えてみたんですが、
これはどうも宇江佐真理が書く江戸の町、
その雰囲気のせいではないかと思い始めました。
とにかくその江戸世界はとても端正で柔らかく、どこまでも優しい感じがします。
一方では宇江佐真理の江戸世界は清潔すぎて、
どこか作り物めいているという声もあるようです。
たしかに少し箱庭的ではあります(笑)
でもその端正ですっきりとした江戸世界はとてもライトな感覚を醸し出し、
このライト感覚こそが宇江佐真理の人気の要因ではないかと思います。
腹にもたれない人情ものや恋ばなし、
小憎たらしいほどに愛くるしいガキども(笑)
が活躍する宇江佐真理の小説には、
なくてはならない要素だと思うのですがどうでしょう。
この連作集は幻冬舎のPR誌に連載、2003年に刊行されました。

江戸日本橋の玄治店(げんやだな)に住むお玉は元花魁。
小間物問屋の主、藤兵衛に身請けされ妾となったが、
暇つぶしのために女中のおまさとともに小間物屋「糸玉」を営んでいた。
もちろん商いの上がりだけでは食べていけず、掛かりは本宅から届けられていた。
そんなお玉のところにやってくる女たち。
芸妓屋のひとり娘で八歳の小梅(甘露梅で福助の思われ人だった?)
小梅の三味線の師匠で辰巳芸者のお喜代。
年の離れた旦那と間夫を掛け持つ若い妾のお花。
そして女中のおまさ。
彼女たちが出入りする糸玉は賑やかな声が絶えない。
でも誰もが心の内では人に言えぬ思いを秘め、
それぞれに玄治店の四季に暮らしていた。
そんな折り、お玉は藤兵衛から別れ話を切り出される。
身代が傾きかかっている藤兵衛は冷淡だった。
冷たい藤兵衛の仕打ちに怒ったお玉は、
小間物屋で商いをしながら暮らしていくと、
藤兵衛に啖呵を切るのだが……

お玉の周りに集まる女たちの日常と様々な出来事。
小間物屋「糸玉」の土間や座敷での会話。
四季折々の玄治店の路地。
お玉と小梅が通う湯屋でのやりとり。
なんというか、これがうまく絡まり合って、
「女の江戸」というべき世界を構築してます。
お玉と小梅の手習いの師匠である青木との恋もあり、
ほろっとくるような人情話もありで、
下手すれば井戸端小説で終わってしまいそうなところを、
そこはうまく勘所を押さえて、上々の仕上がりに持って行ってます。
まあ、物語の展開というよりは、
笑いと涙、恋と悩み。
現代でもなにげにありそうな、
玄治店の日常を生きる女たちを見ている方が楽しい小説ですね。
とくにおちゃっぴぃな小梅は特筆です(笑)
玄治店(げんやだな)は今の日本橋人形町界隈にあった地名です。
歌舞伎の「与話情浄名横櫛」
「しがねえ恋が情けの仇」のセリフでおなじみの源氏店の段で有名になりました。
玄治店は切られ与三がお富さんと再会する源氏店のモデルです。
芝居のほうは鎌倉雪の下ですから、源頼朝で源氏、
それと玄治をかけたということですね。
もっとも歌舞伎より往年の歌手、
春日八郎の「お富さん」の歌詞、
「エーサオー玄治店~」
こっちで一挙に有名になったというのが正しいと思います(笑)
「与話情浄名横櫛」のお話は実際にあった事件だといいますから、
玄治店というのはやはり妾宅が多く、
粋な黒塀、見越しの松、
やはりそういうのがたくさんあった場所ではないのでしょうか。
閑静で婀娜(あだ)な女たちが住まう町。
でも妾というのは日陰の身ですから、
そういう寂しさもつきまとう町。
この物語はやはりそのイメージをうまく借景にしてます。
最後にお玉は伊勢へと向かった青木を追いかけます。
(お玉が年上だし、このあたりは切ないですね)
お玉が去った玄治店。
でもなんだかこの町、雰囲気いいですから、
いつまでもぶらぶらしていたい気分(笑)

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2008-12-03(Wed) 01:16| 宇江佐真理の世界| トラックバック 0| コメント 0

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